蓄電池の寿命は10~15年と言われています。
その頃を過ぎると蓄電容量の低下や動作が遅くなるなどの不具合が出てくるようになり、
廃棄または交換を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ、蓄電池の廃棄はどうすればいいかご存じでしょうか?
本コラムでは、意外と知らない蓄電池の廃棄方法について解説していきたいと思います。
蓄電池の多くはリチウムイオン電池を使用しており、そのままゴミとして廃棄すると発熱・発火の恐れがあるため、
自治体等での廃棄はできません。
そのため、廃棄の際は製造メーカーまたは販売店に依頼するか、専門業者に依頼する必要があります。
また、蓄電池廃棄の際には電気の切り離し工事が必要になりますので工事をしてもらうためにも
製造メーカーか販売店に依頼することが重要です。
蓄電池を廃棄する際の簡単な流れは以下のようになります。
1. 製造メーカーまたは販売店に廃棄の相談をする
2. 電気の切り離し工事をしてもらう
3. 製造メーカーまたは専門業者に蓄電池の回収を依頼する
4. 廃棄処分費用を支払い回収してもらう
蓄電池の廃棄に関するポイントを詳しく解説していきましょう。
蓄電池の廃棄には廃棄費用がかかります。
ご使用の蓄電池の型番や設置場所、運搬にかかる距離等によって変動はありますが、おおよそ 7万円~15万円が相場です。
廃棄処分方法と同時に費用についても確認しておきましょう。
蓄電池の回収業者は特定のメーカーの蓄電池しか回収しないことがあります。
お持ちの蓄電池のメーカーがどこの業者に引き取ってもらえるか確認しましょう。
販売店へ相談すれば教えてもらえますが、回収業者がすべての蓄電池を回収しているわけではないということを知っておきましょう。
蓄電池の需要は近年、急激に拡大していくと予想されるのと同時に、大量消費・大量廃棄される蓄電池の対策も急がれています。
蓄電池のリサイクル (再資源化) とリユース (再利用) の現状ついても考えていきましょう。
蓄電池に使用されるリチウムイオン電池のような大型電池のリサイクルは
一般的な小型電池に比べるとリサイクルの難易度が高いと考えられています。
例えば、解体作業では内容物等で化学やけどを負う可能性や、小型電池より破裂や発火の危険性が上がることが挙げられます。
現状は、メーカーが自主的な取り組みとして、環境省から広域認定制度※1の認定を個社毎に受け、
リチウムイオン蓄電池の安全で適正な回収を2020年5月から開始しています。(現在はメーカー11社が運営)※2
※1 メーカー等が、環境大臣の認定を受けて、自社製品が廃棄物となったもの(製品端材等)を広域的に回収し、製品原料等にリサイクル又は適正処理をする制度
※2 2023年9月25日時点
現状ではメーカーなど個社ごとに自社製品の回収がされているに過ぎない状況であり、回収率の目標などは定められていません。
また、解体業者が取り外したリチウムやコバルト、ニッケルなどを含む 「蓄電池資源」 をリユースやリサイクル目的で輸出されることもあり、
貴重な原材料が国外へ流出しているという現状があります。
このままでは国内の自動車や蓄電池産業の国際競争力の一部を損ないかねないといった見方もされています。
出展:三菱総合研究所 「理想的な蓄電池リサイクルの姿」
それらの問題を解決するために国内では、中古蓄電池のリユースの拡大やリサイクル産業の国際競争力の強化が検討されています。
より低コストで高効率なリサイクルの技術開発については国も支援しており、早期実用化が促されています。
蓄電池の適切な廃棄方法を知り実践することは、 地球環境への貢献と持続可能なエネルギーの未来を支える一環となります。 また、廃棄の先にあるリサイクル事業に取り組むことで 未来の世代にクリーンなエネルギーを提供するカギとなることでしょう。 |
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