電気料金の高騰が続き、少しでも電気料金の負担を抑えたいですよね...。
皆さまは電気料金の請求が、どのような構成でまたどのような計算で算出されているかご存じでしょうか?
電気料金の仕組みや現状を知ることで、削減のためのポイントが明確にすることができます。
本コラムでは、電気料金の仕組みを詳しく解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
電気の契約には、大きく分けて2つあります。
低圧契約と高圧契約です。
低圧契約とは、一般家庭や小規模事業所向け電力契約のことです。
一般家庭向けは、従量電灯A
小規模の商店や事務所向けは、従量電灯B
業務用のエアコンや冷蔵庫向けは、低圧電力で一般的に動力と呼ばれる三相3線式です。
他にもオール電化住宅を対象にしたプランや深夜電力を利用した契約など、様々なプランがあります。
高圧契約は、工場や大型ビルや商業施設など大容量の電気を必要とするお客様に向けた電力契約のことです。
高圧契約についての詳しいお話は、次回のコラムで紹介させていただきますのでご期待ください。
今回は契約が最も多い、従量電灯A と 従量電灯B について詳しく解説していきます。
従量電灯Aは、電灯または小型機器を使用し、最大需要容量が6kVA未満のお客さまが対象となります。
ちなみに、従量とは、使った分という意味になります。
価格 (単価) は下表のようになっています。 (2023年8月31日現在)
料金単価 |
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(税込、円) |
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単位 |
料金単価 |
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最低料金(最初の15kWhまで) |
1契約 |
433.41 |
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電力量料金 |
15kWhをこえ120kWhまで |
第1階段 |
1kWh |
20.31 |
120kWhをこえ300kWhまで |
第2階段 |
25.71 |
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300kWh超過分 |
第3階段 |
28.7 |
この表を見てみなさま、お気づきになりましたでしょうか?
第1段階より第2段階、第2段階より第3段階の方が単価が高くなっています。
通常であれば、たくさん物を買った方が安くなるというのが一般的ではないでしょうか?
しかしながら電気の場合は逆なんです! 多く使えば使うほど単価が高くなります。 |
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この料金制度は 1970年代に訪れたオイルショック(※1 )が元となっています。
1970年当時、日本の電力は59%が石油火力発電によってまかなわれていました。
それまで石油は安価に大量に輸入できる資源でしたが、オイルショックを機に価格が一気に高騰し状況が一変しました。
そこで、節電を促す目的で1974年に導入されたのが、現在の3段階制の電気料金プランです。
当時は全国平均で56.82%と大幅な電気料金の値上げとなりました。
現在の電気料金の考え方はさらに変わり、ご使用になられた電力量を基に計算した料金と燃料費調整額(※2) と
再生可能エネルギー発電促進賦課金(※3) をプラスした料金が電力会社より請求されるようになりました。
(※1) 1973年のオイルショック: イスラエルとアラブ諸国との間で戦争が勃発した際、アラブ諸国が石油価格を急上昇させました
(※2) 燃料費は経済情勢の影響を大きく受けることから、電力会社の経営効率化の成果を明確にするため、燃料費の変動を迅速に電気料金に反映させる制度です。
詳しくはこちら https://kepco.jp/ryokin/seido/
(※3) 再生可能エネルギーの固定価格買取り制度によって電力の買取りに要した費用を、電気のご使用量に応じてご負担いただく制度。
詳しくはこちら https://kepco.jp/ryokin/kaitori/re_energy1/
次に従量電灯Bの料金体系について
従量電灯Bは、電灯または小型機器を使用し、契約容量が6kVA以上であり、かつ原則として50kVA未満のお客さまが対象となります。
商店、事務所、飲食店、またご家庭等でも電灯、小型機器を多くお使いいただいている方が対象となります。
こちらも3段階の電気料金単価となり単価表は、下表となります。 (2023年8月31日現在)
料金単価 |
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(税込、円) |
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単位 |
料金単価 |
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基本料金 |
1kVA |
416.94 |
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電力量料金 |
最初の120kWhまで |
第1階段 |
1kWh |
17.91 |
120kWhをこえ300kWhまで |
第2階段 |
21.12 |
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300kWh超過分 |
第3階段 |
23.63 |
※ 使用量が0kWhの場合の基本料金は半額といたします。(ブレーカーが「入」の状態の場合、機器を使用されていない場合でも、待機電力等により電気が消費されることがあります。)
従量電灯A従量電灯Bの違いは基本料金として、設置機器1kVA当たり 416.94円の基本料金がかかります。
(契約容量の算定につきましてはこちらを参照してください。https://kepco.jp/ryokin/menu/dento_b/)
従量電灯B契約では比較的電気をたくさん使いますので基本料金は上がりますが電気の単価自体は、従量電灯Aよりも安くなっています。
よって電気をたくさん使う場合は、従量電灯Bの方が安くなります。
電気料金の計算にあたっては従量電灯Aと同様に、
基本料金×契約容量+使用電力料金+燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金が電力会社より請求されます。
⚡低圧電力
低圧電力は、低圧で電気の供給を受け、動力を使用し契約電力が原則50kW未満のお客さまが対象となります。
低圧電力契約は、商店、事務所、飲食店、工場等で、大型エアコンや業務用冷蔵庫やポンプ等の機器を使用する際に
必要な契約メニューです。
一般的によく動力と呼ばれる電気で、3相200Vの電気を使用します。
しかし、前述の対象施設であっても対象となる三相200Vの機器の使用がない場合、契約の必要はありません。
(従量電灯A もしくは従量電灯Bのみの契約でOKです。)
価格 (単価) は下表のようになっています。 (2023年8月31日現在)
料金単価 |
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(税込、円) |
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単位 |
料金単価 |
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基本料金 |
1kW |
1.100.84 |
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電力量料金 |
夏季 |
1kWh |
14.43 |
その他季 |
19.95 |
※ 「夏季」とは毎年7月1日~9月30日の期間をいい、その他の期間を「その他季」といいます。
※ 使用量が0kWhの場合の基本料金は半額といたします。(ブレーカーが「入」の状態の場合、機器を使用されていない場合でも、待機電力等により電気が消費されることがあります。)
電気料金の計算につきましては
契約電力(※4)×基本料金+使用電力量料金+燃料調整費+再生可能エネルギー発電促進賦課金が電力会社より請求されます。
(※4) 契約電力の算定につきましては、こちらをご参照ください。(https://kepco.jp/ryokin/menu/teiatsu/)
電気料金計算例 |
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・ 1ヶ月の使用電力量・・・260kWh ・ 口座振替割引契約を適用 |
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最低料金 |
① |
433.41円=15[kWh]まで |
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電力料金 |
15kWh超過120kWhまで |
② |
2,132.55円=20.31円×105[kWh] |
120kWh超過300kWhまで |
③ |
3,599.40円=25.71円×140[kWh] |
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300kWh超過分 |
④ |
0.00円=28.70円×0[kWh] |
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燃料費調整額 |
⑤ |
当該月分の単価に基づき算定いたします。 燃料費調整単価 (15kWhをこえる1kWhにつき) × (260-15) [kWh] |
|
口座振替割引額 |
⑥ |
55.00円 |
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再生可能エネルギー発電促進賦課金 |
⑦ |
当該年度分の単価に基づき算定いたします。 再生可能エネルギー発電促進賦課金単価 (1kWhにつき) × (260-15) [kWh](円位未満切捨て) |
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請求金額※ |
|
6,110円±⑤+⑦=①+②+③+④±⑤-⑥+⑦ (円位未満切捨て切捨て) |
※上記請求金額例には、消費税等相当額を含みます。
※上記請求金額例には、毎月単価が変動する燃料費調整額及び毎年単価が変更となる再生可能エネルギー発電促進賦課金を含めておりません。
※ 実際に請求させていただく金額には、当該月に応じた燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金を加算して請求させていただきます。
※ 電気のご使用を廃止または開始される場合は、上記によらず日割計算をいたします。
■ 従量電灯Bの参考例
電気料金計算例 |
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・ 契約容量・・・11kVA ・ 1ヶ月の使用電力量・・・1,180kWh ・ 口座振替割引契約を適用 |
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基本料金 |
① |
4,586.34円=416.94×11[kVA] |
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電力量料金 |
最初の120kWhまで |
② |
2,149.20円=17.91×120[kWh] |
120kWh超過300kWhまで |
③ |
3,801.60円=21.12×180[kWh] |
|
300kWh超過分 |
④ |
20,794.40円=23.63×880[kWh] |
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燃料費調整額 |
⑤ |
当該月分の単価に基づき算定いたします。[算定式]燃料費調整単価×1,180[kWh] |
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口座振替割引額 |
⑥ |
55.00円 |
|
再生可能エネルギー発電促進賦課金 |
⑦ |
当該年度分の単価に基づき算定いたします。 |
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請求金額※ |
|
31,276円±⑤+⑦=①+②+③+④±⑤-⑥+⑦ (円位未満切捨て切捨て) |
※上記請求金額例には、消費税等相当額を含みます。
※上記請求金額例には、毎月単価が変動する燃料費調整額及び毎年単価が変更となる再生可能エネルギー発電促進賦課金を含めておりません。
※ 実際に請求させていただく金額には、当該月に応じた燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金を加算して請求させていただきます。
※ 電気のご使用を廃止または開始される場合は、上記によらず日割計算をいたします。
今回は、関西電力の電気料金の仕組みについてご紹介しました。
電気料金を安くするには節電の努力はもとより、ご家庭の電気の使い方にあった電力会社のプランを見つけることが重要です。
電力プランの見直しと節電を通じて、より経済的で持続可能な電力使用を実現しましょう。
蓄電池の購入、設置を検討されている、選び方に不安をお持ちの方は ぜひ一度小川電機にご相談ください!
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