近年、電気自動車の普及が急激に進み、ガソリン車から電気自動車への乗り換えを考える方が増加しています。
充電器には大きく分けて、普通充電器と充放電設備(V2H)の2種類 があります。
最近では電気自動車の購入をする前に、事前準備として購入を検討する方も多いようです。
皆さまは、どこのメーカーが V2Hを開発しているのかご存じでしょうか?
また、どの商品を選ぶのが良いのか?普通充電器とどう違うのか?など、分からないことも多いのではないでしょうか?
そこで本コラムでは、V2Hのメーカー紹介や人気商品の解説していきたいと思います。
V2Hの導入をご検討されている方はご参考にしていただければと思います。
充放電設備「V2H」とは 『Vehicle to Home』 の略称で、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)などの
電動車に搭載されているバッテリーを利用して、蓄えられた電力を住宅に給電して有効活用するシステムのことです。
EVおよびPHVに貯められた電力は、そのままでは自動車以外の用途に使うことができません。
なぜなら、車のバッテリーやリチウムイオン蓄電池などの出力が直流(DC)にて行われているからです。
しかし、一般家庭で使用されている電源は、交流電源(AC)なので直流を交流に変換する必要があるのです。
実際、EVやPHVを導入したとしても変換装置を設置しなければ、節電や災害対策としての利用ができません。
その変換装置がV2Hとなります。
V2Hを設置すると、電気自動車を蓄電池として利用できるようになり、災害の時や節電対策として家庭の電気を賄うことも可能です。
▶「V2H」について更に詳しく知りたい方は こちら
ニチコンは、V2Hシステムを世界で初めて開発し、2012年に市場導入したリーディングカンパニーです。
それから更に研究開発が進み2019年には、技術の推移を結集した高機能で低価格な「EVパワーステーション」の発売を開始しました。
現在、V2H機器のシェアでは、ニチコンが9割を占めており、現状 No.1のシェアメーカーです。
引用元:https://www.nichicon.co.jp/products/v2h/index.html
ニチコンのEVパワーステーションは倍速充電への対応が可能です。
200V仕様の普通充電スタンドの約2倍のスピードで充電ができ、日産リーフ40kWhならフル充電が最短約4時間で出来ます。
また、プレミアムモデル機種の場合はスマホアプリ対応で、車の充放電スタート時間の設定や履歴・稼働状態の確認もできます。
しかも、ニチコン製のV2Hは、他社製品に比べてかなり価格設定が低くお買い得です。
「EVパワーステーション」には下記の種類があります。
スタンダードモデルは停電時に太陽光発電システムから車への充電は出来ません。
また、停電時の出力電力も3kWしか出力されませんので、非常時に使う電化製品はエアコンは1台まで等の考えながら
電池を使用する必要があります。その為価格は低価格に設定されていますが停電時には少し不便を感じるかもしれません。
スタンダードモデルについては、操作が本体でしか出来ないので、夜間や天候が悪い時でも、運転モードの変更を行うには、
本体のところまで行って操作する必要があります。
プレミアムモデルはスタンダードモデルと違い、停電時の出力電力は6kWまで出来ます。更に200V電源にも対応ができるので、
エアコンやエコキュートなど家中丸ごとの負荷設備に対して使用する事ができます。
また、操作もスマートホンから行えるので、本体のある場所まで行かなくても家の中から操作が可能です。
価格はスタンダードよりも少し高いですが、放電出力(自立時)や操作性を考えるとプレミアムモデルをオススメします。
また補助金や助成金を活用すれば、お手頃な価格にてプレミアムモデルの購入が可能です。
プレミアムプラスモデルは、スタンダードとプレミアムモデルと違って、停電時の面倒な操作が不要なので
利便性が高いモデルと言えるでしょう。
プレミアムプラスモデルは、UPS(無停電電源装置)が実装されており、
停電になったとしても一定時間は製品がシャットダウンしないように、
電源オン状態を維持できるので機械操作が苦手な方々には、特にオススメなモデルです。
UPS機能がなければ、V2Hの電源がオフになるので、EVの電力を使うためにはV2H本体の自立運転への切り替え操作や、
EVとV2Hへのケーブル接続などの作業が必要になります。プレミアムプラスの場合は停電後2時間内であれば、
本体の放電ボタンをワンプッシュするだけでEVの電力が住宅内で使えます。
停電から2時間以上経つとUPSの電池が切れ、プレミアムモデルと同様に電源ケーブルの手動配線が必要となります。
2023年に大手電機メーカーのパナソニックがV2H事業への参入を開始しました。
パナソニックのV2H蓄電システム (eneplat)は、業界初となる電気自動車と蓄電池による同時充放電を実現しました。
このシステムは、日中、太陽光発電で生み出した電力を蓄電池または電気自動車に蓄え、
夜間などに住宅内へ放電できる自家消費機能を搭載しています。また、蓄電池または電気自動車に蓄えた電力を、
停電時のバックアップ用電源として住宅内で活用することもできます。
具体的にV2H蓄電システム「eneplat」は、最大9kWの太陽光発電を電気自動車や蓄電池への充電に利用することが可能になり、
最大出力も6kWまで可能です。
引用元:https://sumai.panasonic.jp/v2h_chikuden/eneplat/
その他、パナソニックが提供するHOME IoT「AiSEG2」を活用しながらV2Hを導入すると、
天気予報と連動して充電量を調整することが可能です。 「AiSEG2」が毎日天気予報を確認し、翌日の天候が晴の場合には、
自動で夜間の電気自動車への充電量を抑制します。
抑制した電力は太陽光発電で充電しますので、無駄なく電気代を節約することができます。
自動車部品の開発メーカーであるデンソーからも、V2H-充放電器というV2H設備が販売されています。
ニチコンのEVパワーステーションと同モデルになり、倍速充電に対応しているので、充電スタンドの約2倍のスピードで充電できます。
さらに、デンソーのV2HはHEMSと連携でき、天気予報連携で過去の発電量や電力プランなどの情報から自家消費と売電の
最適マネジメントをしてくれます。
もし自宅に太陽光発電があり、HEMS連携機能を利用したい場合は、デンソーのV2H充放電器を選択すると良いでしょう。
椿本チエインの「TPS10-A」(eLINK)は、電気自動車の大容量バッテリーから取り出した電力を電力網と双方向に接続し、
停電時には非常用電源として利用し、通常時には電力網への供給(連系)や電気自動車への充電をスマートに制御することができる、
事業者向けのV2X対応充放電装置です。
引用元:http://tsubaki.co.jp/topics/elink/spec.html
電気自動車へ充電、EVから給電が行える系統連系対応の充放電装置「eLINK」をこれまで公共施設、ビル、工場、
実証試験用等に販売を進めてきました。
アイケイエスは、大容量リチウムイオン蓄電池を採用した10kVAパワーコンディショナの製造と販売をしています。
サイクル特性に優れた10kwh超のリチウムイオン蓄電池とPV電力(太陽光発電)を有効に活用し、
ピークカットやピークシフトへの対応に最適なシステムとなっています。
また、オプションモデルとしてEVとの接続による充給電(V2H)機能を搭載したシステムもありまして、
当該モデルは蓄電池とEVからの電力供給が可能な最適なマルチ蓄電池システムになります。
V2Hは、電気自動車の電力を効果的に活用し、家庭の電気代節約に欠かせない装置です。
V2Hを導入する際には、各メーカーのメリットとデメリットをよく理解してから購入することが重要です。
それによって、最適なV2H設備を選ぶことができるでしょう。
蓄電池の購入、設置を検討されている、選び方に不安をお持ちの方は ぜひ一度小川電機にご相談ください!
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