近年、蓄電池の需要は高まっています。
自動車産業やスマートフォンなどの電子機器はもちろん、再エネ発電の蓄電用やBCP電源としても使われています。
本コラムでは、蓄電池の仕組みやこれからの展望について詳しく解説していきます。
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蓄電池の寿命には、サイクル数と使用期間の単位が用いられます。 蓄電池を購入する際は、サイクル数もしくは使用期間のどちらかを もとに購入判断すると良いでしょう。 蓄電池の寿命は、種類やメーカーによって異なりますが、 基本的には10~15年が目安です。 家庭用蓄電池で主に使われているのがリチウムイオン電池です。 蓄電池は使い方次第で長持ちさせることができる一方、 誤った使い方をすると経年劣化を加速させ、寿命が縮まることもあります。 |
蓄電池技術の継続的な進歩により、より耐久性のある蓄電池が開発されている現在ですが、
2021年に日本のメーカー日立製作所が、電力系統の再生可能エネルギー主電源化とモビリティの電動化促進に向け、
リチウムイオン電池の寿命を非破壊で延長できる容量回復技術を開発しました。
そのため、電池内部の劣化状態を非破壊で定量的に診断し、その蓄電容量を回復することが出来るようになりました。
日立のリチウムイオン電池の電気化学処理による容量回復技術
(a) 電池内部の診断とリチウムイオン(Li+)の再活性化、(b) 蓄電容量の回復による寿命延長
引用元:https://www.hitachi.co.jp/rd/news/topics/2021/2110_crt.html
その他、人工知能 (AI) の活用により、蓄電池の充放電管理や運用最適化が改善されると、
より効率的な充電および放電制御が実現され、蓄電池の寿命を更に延ばす事が出来ます。
この様な事から蓄電池には、より長寿命で持続性能の高い事が求められています。
研究開発や国の支援がさらに加速し、より蓄電池技術の進化が促進されることにより、更なる長寿命化が期待されています。
蓄電池の種類とエネルギー密度
引用元:https://xtech.nikkei.com/dm/article/WORD/20130201/263771/
蓄電池のエネルギー密度は、より多くのエネルギーをより小さなサイズの蓄電池に詰め込むことができるようになることを意味します。
エネルギー密度を向上させるためには、より高いエネルギー密度を持つ新しい素材を開発する必要があります。
例えば、リチウムイオンバッテリーは高いエネルギー密度を持っていますが、新しい材料の開発により
より高いエネルギー密度を実現することができます。
他にも、より薄く、より小さく、より効率的な設計を採用することで、より高いエネルギー密度を実現することができます。
これにより、電気自動車の航続距離を延ばしたり、スマートフォンやウェアラブルデバイスのバッテリー寿命を延ばすことが可能になります。
経済産業省が示している蓄電池の価格低減目標。実際の市場価格も、ほぼこれにそって着実に下がってきている。
引用元:https://solarjournal.jp/solarpower/35494/
現在の蓄電池は高価であり、普及を妨げる要因の一つとなっています。
機械化や自動化を進めることで、人手による作業のコストを削減することができますし、
生産ラインや工程を見直などの無駄を減らすことで生産効率を向上させ、コストを削減することができます。
今後は、製造プロセスや材料技術の改善により、蓄電池のコストが下がることが期待されています。
蓄電池は再生可能エネルギーの普及に不可欠な技術ですが その製造や廃棄に伴う環境負荷が問題視されています。 蓄電池には希少金属などの貴重な資源が含まれており、 生産や廃棄に伴う環境負荷が大きいため、 再利用やリサイクルなどの取り組みが必要とされます。 今後は、蓄電池の製造や廃棄に関する技術も進歩し、 環境負荷が低減されることが期待されます。
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蓄電池は様々な分野で重要な役割を果たしています。
しかしながらコスト低減や高性能化、大容量化、持続性の向上など多くの課題が残されているのも事実です。
これらの課題を一日も早く解決し、蓄電池市場が拡大していく事が期待されます。
蓄電池の購入、設置を検討されている、選び方に不安をお持ちの方は ぜひ一度小川電機にご相談ください!
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