低圧電力の電気料金の仕組みについては以前ご案内させていただきましたので
今回は、高圧電力について案内させていただきます。
一般的な契約電力500kW未満のスーパーや事務所ビルまたは工場の場合についてご説明させていただきます。
わかりやすいよう、スーパーや事務所ビル等は 「高圧AS」、工場は 「高圧BS」 を例に解説していきます。
各種契約を下部に提示いたしますので契約や価格等参考にしてください。
(税込・円)
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概要 |
電圧 |
単位 |
区分 |
料金単価 |
料金表 |
|
高圧電力AS |
主に平日の昼間時間帯に電気を多くお使いいただくお客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
1,911.80 |
料金表は |
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電力量料金(円/kWh) |
夏季 |
14.17 |
|||||
その他季 |
13.10 |
||||||
高圧電力AS-TOU |
より電力需要の少ない時間帯 (夜間・日曜日・祝日等)に電気を多くお使いいただくことで負荷移行に ご協力いただけるお客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
1,911.80 |
料金表は |
||
電力量料金(円/kWh) |
重負荷時間 |
19.65 |
|||||
昼間時間 |
14.34 |
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夜間時間 |
10.03 |
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高圧自家発 補給電力AS |
お客さまの発電設備の検査、補修 または事故によって生じる不足電力の補給にあてるために電気を お使いいただくお客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
2,088.90 |
料金表は |
||
電力量料金(円/kWh) |
定検・補修の場合 |
夏期 |
15.44 |
||||
その他季 |
14.27 |
||||||
その他の 場合 |
夏期 |
18.91 |
|||||
その他季 |
17.44 |
||||||
高圧予備電力AS |
常時供給設備等の補修または 事故によって生じる不足電力の 補給にあてるために予備電線路により 電気をお使いいただく お客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
予備線 |
96.80 |
料金表は |
|
予備電源 |
185.90 |
||||||
電力量料金(円/kWh) |
常時供給分の該当料金 |
||||||
高圧臨時電力AS |
契約使用期間が1年未満のお客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
2,294.16 |
料金表は |
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電力量料金(円/kWh) |
夏季 |
16.57 |
|||||
その他季 |
15.28 |
(税込・円)
|
概要 |
電圧 |
単位 |
区分 |
料金単価 |
料金表 |
|
高圧電力BS |
主に平日の昼間時間帯に電気を多くお使いいただくお客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
2,043.80 |
料金表は |
||
電力量料金(円/kWh) |
夏季 |
12.78 |
|||||
その他季 |
11.83 |
||||||
高圧電力BS-TOU |
より電力需要の少ない時間帯 (夜間・日曜日・祝日等)に電気を 多くお使いいただくことで負荷移行に ご協力いただけるお客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
2,043.80 |
料金表は |
||
電力量料金(円/kWh) |
重負荷時間 |
17.77 |
|||||
昼間時間 |
13.03 |
||||||
夜間時間 |
10.03 |
||||||
高圧自家発 補給電力BS
|
お客さまの発電設備の検査、補修 または事故によって生じる不足電力の 補給にあてるために電気を お使いいただくお客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
2,234.10 |
料金表は |
||
電力量料金(円/kWh) |
定検・補修の場合 |
夏期 |
13.90 |
||||
その他季 |
12.87 |
||||||
その他の 場合 |
夏期 |
16.98 |
|||||
その他季 |
15.70 |
||||||
高圧予備電力BS
|
常時供給設備等の補修または 事故によって生じる不足電力の 補給にあてるために予備電線路により 電気をお使いいただく お客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
予備線 |
96.80 |
料金表は |
|
予備電源 |
185.90 |
||||||
電力量料金(円/kWh) |
常時供給分の該当料金 |
||||||
高圧臨時電力BS |
契約使用期間が1年未満の お客さまの料金メニュー |
6,000V 供給 |
基本料金(円/kW) |
2,452.56 |
料金表は |
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電力量料金(円/kWh) |
夏季 |
14.87 |
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その他季 |
13.76 |
※ 表中の語句については以下のとおりです。
・ 「重負荷時間」 : 毎年7月1日~9月30日の期間の毎日10 : 00〜17 : 00の時間(日曜日および当社が定める日※の該当する時間を除く)
・ 「昼間時間」 : 毎日8 : 00〜22 : 00の時間( 「重負荷時間」 、日曜日および当社が定める日※の該当する時間を除く)
・ 「夜間時間」 : 「重負荷時間」 および 「昼間時間」 以外の時間
・ 「夏季」 : 毎年7月1日~9月30日の期間
・ 「その他季」 : 毎年10月1日~翌年の6月30日の期間
高圧受電の場合、電気料金を決定する大きな要素に 「基本料金」 があります。
高圧受電の電気料金は、「基本料金」 と 「電力量料金」 より構成され、
「燃料費調整額」 および 「再生可能エネルギー発電促進賦課金」 を反映し算定されます。
そして、基本料金の算定には、「デマンド料金制度」 により決定される契約電力をもとに算定されます。
では 「デマンド料金制度」 とはいったい何でしょうか?
デマンド料金制度とは、お客さまの過去1年間 (その月と前11ヶ月) の最大需要電力により、契約電力を決定する制度と
関西電力のホームページに記載されています。
それでは 「最大需要電力」 とはどういうものなのでしょうか?
エアコンやモーター等のスイッチを入れると、その度にお使いになる電力は増えていきます。
この刻々と変化する需要電力を計量器が計量し、30分単位で平均値 (平均電力) を算出しています。
そのうち月間で最も大きい値がその月の最大需要電力となります。
右図の例ですと、瞬間最大電力では150kWですが 30分単位の平均値が100kWのため最大需要電力は100kWとなります。 |
![]() |
・ 契約種別 :高圧電力AS
・ 契約電力 :100kW
・ 力率 :100%
・ 1か月の使用電力量 :16,500kWh(ご使用期間:9/15~10/14)<内訳>夏季:10,000kWh、その他季:6,500kWh
基本料金 |
① |
191,180.00円 = 1,911.80円/kW×100kW |
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力率割引 |
② |
▲ 28,677.00円 = ①×(85%-100%) |
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電力量料金 |
夏季料金 |
③ |
141,700.00円 = 14.17円/kWh×10,000kWh |
その他季料金 |
④ |
85,150.00円 = 13.10円/kWh×6,500kWh |
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燃料費調整額 |
⑤ |
当該月分の単価に基づき算定いたします。 燃料費調整単価はこちら [算定式]燃料費調整単価×16,500kWh |
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再生可能エネルギー発電促進賦課金 |
⑥ |
当該年度分の単価に基づき算定いたします。 再生可能エネルギー発電促進賦課金単価はこちら [算定式]再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×16,500kWh(円位未満切捨て) |
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請求金額合計 |
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389,353円±⑤+⑥ = ①+②+③+④±⑤+⑥(円位未満切捨て) |
・ 上記計算例は、高圧電力AS料金表(2023年4月1日実施)の電気料金単価を使用しています。
・ 上記の計算例には、消費税等相当額を含みます。
・ 上記の計算例には、毎月単価が変動する燃料費調整額および毎年単価が変更となる再生可能エネルギー発電促進賦課金を含めておりません。
・ 実際にご請求させていただく金額には、当該月に応じた燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金を加算してご請求いたします。
それではデマンド料金制度による各月の契約電力の決定方法について詳しく解説していきます。
各月の最大需要電力の求め方は前項で説明しましたが、求めた最大需要電力が毎月の契約電力になるわけではありません。
各月の契約電力の決定方法は、下記のように決定されます。
それぞれの月の契約電力は、過去1年間(その月と前11ヶ月)の最大需要電力のうちで最も大きい値となります。(下表参照)
(電気使用開始から1年間については、電気使用開始月からその月までの最大需要電力のうちで最も大きい値となります。)
① 契約電力は、その月の最大需要電力 (100kW) となります。
② 契約電力は、その月と前月の最大需要電力のうち、大きい値 (110kW) に更新されます。
③ 契約電力は、ご使用開始からの各月とその月の最大需要電力のうち、最も大きい値 (110kW) となります。
④ 契約電力は、過去1年間の最大需要電力 (月単位) で決定するため、③の月の値 (105kW) に更新されます。
⑤ 契約電力は、過去1年間の最大需要電力 (月単位) で決定するため、⑤の月の値 (108kW) に更新されます。
この決定方法が複雑で少し難しいため、詳しく解説していきます。
上記の表を例にしますと7月は契約電力が100kWでした。
8月が猛暑だったため、デマンド値が110kWとなりました。そうすると8月の契約電力は110kWとなり10kW増えました。
デマンド値は、30分間の平均電力になりますので、ピーク時の30分のために契約電力が10kW増えてしまいました。
仮に高圧ASでの契約の場合基本料金は、10kW×1911.80円/kWですので、月19,118円増えてしまいます。
年間で、229,416円です!
使う量が増えて電気料金が上がるのは仕方ありませんが、これはなんとも納得がいきにくいところですね。
電力会社としては、実際に使われた最大需要電力に対応できる設備を用意しないといけないのが理由ということです。
それでは契約電力を下げるためにはどうすれば良いのでしょうか。
契約電力の決定方法は 、過去1年間 (その月と前11ヶ月) の最大需要電力のうちで最も大きい値となっていますので
いったん最大需要電力が更新されてしまえばその月を含め、1年間は最大需要電力 (デマンド値) が下がることはありません。
上がるのは一瞬 (30分間の平均値) ですが、下げるには最低1年かかります。
下記の表を使って見ていきましょう。
7月はデマンド値が100kWでした。8月に110kWとなったため、110kWのデマンド値がその月を含め12か月間続きます。
(その間に110kWを超える月があればその数値が1年間続きます。)
12カ月が過ぎた翌8月にその月を含む過去1年間の最大値は、9月の105kWのため、8月の契約電力は105kWとなります。
そして、9月が105kWを越え108kWだったため、9月の契約電力は108kWとなり、この108kWが1年間、契約電力として使われてしまいます。
何度も同じ話をすることになりますが、使った分が多くて電気料金が上がるのは仕方ないことですが、
使ってもいないのに基本料金として多くの電気料金を払うのは馬鹿らしいことです。
これで最大需要電力 (デマンド値) の重要性がよくわかっていただけたと思います。
⚡省エネをしなくても電気料金の削減はできる?
一般的にデマンド値が出やすい時間帯は、夏場の最も暑い時間帯 (午後1時~2時頃) と言われています。
これはエアコンなどの空調機器もフル稼働し、またお昼休み明けで機械等も一斉に動き出すからです。
デマンド値とは 30分間に使われる電力の平均値ですので、同時に使用せず時間をずらして使用すればデマンド値は上がりません。
ただ時間をずらすだけで省エネも何もしていませんがこれだけで確実に電気料金を下げること (基本料金部分) ができます。
生産量は減らさずに電気料金 (基本料金) のみを下げることも可能なのです。
そういったことを可能にするために、デマンド監視装置やデマンドコントローラーのどの機器の導入をお勧めいたします。
高圧電力契約ではデマンド値に対する意識が非常に重要です。
デマンド値が上がらないよう専用の機器を使ったり、省エネ意識を持つことが電気料金を下げる第一歩になります。
※文中仕様の表及びグラフは関西電力のホームページよりの引用となっています。
蓄電池の購入、設置を検討されている、選び方に不安をお持ちの方は ぜひ一度小川電機にご相談ください!
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